複視〜物が歪んで見える/二重に見える症状

複視(ふくし)とは、物が歪んで見えたり二つ(二重)に見えたりする眼の症状の事をいいます。物が歪んで見えたり・重複して見えるなどの症状が見られたらまずは病院にて診察をしましょう。そこで複視について紹介していきます。

 

複視とは

複視とは、ものが二重に見える状態をいいます。

 

  • 片方の目でみて、二重に見えるときは前述した乱視を考えます。
  • 両方の目でみて、二重で見える場合は、眼球運動障害を考えます。

 

左右の視覚情報は脳で統合されて1枚の絵になります。
脳が思っている座標に目がない時、つまり目の運動がうまくいかないときに複視が生じます。

 

複視の原因

具体的には、外眼筋と呼ばれる眼球を動かす筋肉の異常によっておこります。

 

外眼筋には6種類あり、それぞれ上下左右の4方向への運動、回転を調節する運動を組み合わせた6種類となります。

 

この運動障害では、筋肉自体になにか異常な構造物があり動かない場合と、筋肉を支配する神経が麻痺する場合の2つにわけられます。

 

筋肉自体になにか異常な構造物があり動かない場合

殴られたときなど外傷時におこりやすい吹き抜け骨折です。筋肉が骨折した骨にはまり込んでしまい、上下運動が困難となります。はまり込んでしまった筋肉を外科的にもとに戻す必要があります。

 

筋肉を支配する神経が麻痺する場合

前述した重症筋無力症や脳レベルでの異常による神経麻痺です。重症筋無力症では、神経から筋肉に伝達する部位が障害され、筋力が低下します。左右の筋力低下の程度の差で左右の動きが合わず複視となります。

 

脳レベルの障害では、動眼神経麻痺が多いです。動眼神経は、眼瞼下垂の項目でのべたように、まぶたをあげる筋肉を支配しています。その他、眼球運動に関わる4つの外眼筋も支配しているのです。

 

動眼神経が麻痺すると、目は外を向きます。片方の麻痺が多いため、左右を見比べればすぐにわかります。

 

「複視」がおこった時は、このような神経の異常も考えられるため緊急性の高い状態といえるでしょう。

 

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