白内障の治療法
白内障の治療方法として手術と薬物療法があります。
手術は一般的には超音波水晶体乳化吸引術という術式により、
水晶体を取り除き人工レンズに変える方法です。
白内障の原因となる水晶体を取り除くことで白内障を治療します。
また人工レンズの種類によっては近視や遠視を改善するもののあります。
一方、薬物療法は点眼薬や内服薬によって白内障の進行を遅くする目的で用いられるます。
薬物療法は対処療法で、今のところ白内障を治療することはできません。
ただし、白内障という診断がでてもすぐに手術する必要はなく、
あくまで生活に支障が出始めた時に手術を検討することが一般的です。
それまでは基本的に薬物療法で対応します。
白内障の手術〜超音波水晶体乳化吸引術〜
白内障手術で最も多く行われている超音波水晶体乳化吸引術は角膜あるいは強膜を3mmほど切開し、そこに超音波チップという筒状の器具を入れ水晶体を吸い取ります。このチップ水晶体を吸引するだけでなく、吸い取る前に超音波を流し水晶体の核を破壊する役割もあります。
そして水晶体の代わりに人口レンズを埋め込みます。人工レンズ寿命はは半永久的という優れたもので、手術後に取り換えたり、クリーニングをしたりする必要はありません。
料金は両目で10万程度(70歳以上1割負担ならば3万強)程度、手術も数分で終わり日帰りも可能です。ただし、人工レンズの種類によっては保険適用がないものもあり値段が高くなります。
参考動画
参照:品川近視クリニック
薬物療法
白内障は一部のものを除いて、生活に支障が出ない限り手術をする必要はありません。
それまで点眼薬や内服薬で白内障の進行を遅らせる治療が行われます。
ただし白内障は水晶体内の本来、水溶性のたんぱく質が非水溶性のたんぱく質に変質して発生します。
一度非水溶性に変化したたんぱく質を元の水溶性に戻す薬はいまだ開発されていないのが現状です。
ここでは白内障で用いられる薬をいくつか紹介しましょう。
@ピレノキシン(カタリン点眼薬)
点眼薬。水晶体の水溶性たんぱく質が非水溶性たんぱく質に変性することを阻害して、水晶体の透明性を維持する効果があるといわれています。主に老人性白内障の初期の段階で用いられます。
Aグルタチオン(タオチン点眼薬)
点眼薬。水晶体の中にはグルタチオンというアミノ酸が含まれており、白内障になるとこれが減少することが分かっています。そこでグルタチオンを点眼してあげることで、白内障の進行を防止しようとする点眼薬です。
B唾液腺ホルモン(パロチン錠)
内服薬。血清中のカルシウムイオン低下作用などにより白内障の進行を抑えるといわれています。
白内障が血清中のカルシウムイオンの増加によっておこると理論に基づいています。
Cチオプロニン(チオラ錠)
内服薬。水晶体の蛋白の凝集による不溶性たんぱく質になることを抑制して、水晶体の透明化を維持するといわれています。主に初期の老人性白内障の治療に用いられます。