白内障の手術のタイミング
加齢など、様々な要因で引き起こされる白内障についてですが、それを治療していくにあたって、経過観察、薬物療法、手術と白内障の程度によって対処の方法は変わっていきます。
日常生活に支障が出た時が手術のタイミング
白内障の治療として効果的であるのが手術によって水晶体の濁りを除去していく事なのですが、いつ頃手術を受ければいいのでしょうか。そのタイミングについてですが、日常生活や仕事に支障が出た時が手術の始め時だと思います。
例えば、自動車を普段から運転している人の場合、視力が0.7以上が必要となりますので、眼鏡をかけてもその視力を下回る場合は、手術が必要になると思います。
また、視力が0.4くらいに落ちている場合は、新聞を読んでいて細かい文字が見えにくいという状態になるのですが、その人が自動車を運転しないとか、細かい作業をしない人であれば0.4くらいに視力が落ちてから手術しても、タイミングとして遅くはないと思います。
しかし、0.8〜1.0の視力でも明るい所にいると眩しすぎて生活に不便と感じる場合は視力低下をあまりしてない状態でも手術を受けた方が良いでしょう。
白内障の手術はかなり進歩しているとはいえ感染症を起こすリスクや水晶体が目の奥に落ちてしまうリスクなどがやはり残りますので、日常に支障がない限り手術は見合わせてもいいでしょう。
白内障の手術をしばらく待った方がいい場合
加齢など、様々な要因で引き起こされる白内障についてですが、それを治療していくにあたって手術が一番効果的な方法です。
しかし白内障と診断され手術を希望している場合でも手術がすぐにできない場合があります。
それは、その患者が糖尿病や高血圧、糖尿病などの全身に関わる病気があって、その病状が安定していない場合、安定するまで待つ必要があります。
例えば糖尿病を患っている方で血糖のコントロールがしっかり出来ていない方は血糖が安定してから手術が行なわれます。
また糖尿病網膜症と合併している場合の白内障の治療方法は、先に網膜症の治療を行なって病状が安定してきてから白内障の手術を行います。
これらとは別なケースで白内障の手術をするかどうか慎重すべきケースがあります。
それは角膜の一番内側にある内皮細胞が減少した場合です。白内障の手術をするとどうしても減少してしまうのですが、多くの内皮細胞が減ってしまうと、角膜が濁って視力低下を引き起こすので、角膜移植が必要になる事があるためです。