白内障手術〜手術前の工程
手術前の検査
白内障の手術を行なう前に行なうべき事は目の検査をまず始めに行ないます。
その検査の内容は問診や視力検査などを行なって、
その段階で手術が出来るかどうかを判断し、手術方法の検討などを行なっていきます。
その他に、白内障以外の目の病気にかかっていないか、
合併症にかかっていないかどうかを調べていきます。
また角膜の内皮細胞が十分にあるかどうかというのも手術する上で重要な要素であるので
細隙灯顕微鏡検査を行なって調べていきます。
さらに目の検査だけではなく身体の検査もしていきます。
血液検査や尿検査、血圧測定、心電図検査、胸部エックス線検査などの様々な検査をしていき、
健康状態がどうなっているのかを調べます。
ちなみに手術時間についてですが、10分〜15分と手術内容によって違いはありますが、
短時間で終わるものがほとんどです。
病状によっては日帰りで終わる事もあり、また痛みや出血もなく終わります。
眼内レンズの度数の決定
白内障の手術では目の水晶体の核内に挿入する眼内レンズの度数を決定する為の検査を行なっていきます。この時、過去に目に強い衝撃を受けたことがあるか、またはレーシックを受けた方は必ず担当医師に伝えなくてはなりません。
最初に行うのは屈折検査で、どの程度、近視や遠視・乱視が進んでいるのかを調べていきます。その次に角膜のカーブ(曲率半径)を角膜の屈折力を測る装置で決定していきます。
さらに眼軸長(角膜の頂点から網膜の中心窩までの距離)を超音波検査にて測定していきます。
単焦点レンズ
手術する上で注意しなければならないのが、白内障の手術を受けたとしても、大半の場合に眼鏡を併用する事になるようです。なぜなら手術に用いられるレンズの大半は「単焦点レンズ」というピントの合う距離が1つだけのものであるからです。
そこで医師と相談する上で大切な事は、眼鏡をかけない状態で見たいのは、どの距離なのかという事です。例えば、眼鏡を掛けないで本を読みたいといった希望を出し、その他にも屈折検査や超音波検査の結果と照らし合わせて眼内に挿入するレンズの度数を決定していきます。
多焦点レンズ
単焦点レンズでは近くか遠くか焦点を合わせてしまうので、もう一方を見る場合メガネが必要になりましたが、多焦点レンズはレンズの中央に光を近くと遠くに分ける仕組みがあり、どちらを見ても焦点が合うように設計されていますので手術後、基本的にメガネは不要になります。
ただし、保険適応がなく自費診療になるため手術費が高額になるのが欠点です。
単焦点レンズの手術の場合、両目で10万程度で済むのに対して、多焦点レンズの手術の場合、80万〜100万程度かかります。