超音波乳化吸引術〜白内障の手術〜
数種類ある眼内レンズを挿入する手術方法の中で、
特に多く行なわれている方法は「超音波乳化吸引術」という手術方法です。
超音波乳化吸引術とは
角膜あるいは強膜を切開してから、切開口からUSチップと呼ばれる超音波器具を入れて水晶体の核を破壊し、水晶体の後嚢を残して、核と皮質を吸引します。その後に眼内レンズをはめ込んで固定させます。
切開の幅は2mm程度で出血はありません。角膜には血液が流れていないからです。
また切開後は眼圧によって自然に閉じるため縫合も必要ありません。
超音波乳化吸引術の流れ
手術の流れとして、角膜を2oほど切開して水晶体を覆っている前嚢と呼ばれている箇所を丸く切除した後、後嚢と皮質を分離させる為に水を流し入れます。
次に細い器具を挿入して、その管の先端から超音波を出して核を砕いて細かく削っていきます。
水晶体を包んでいる後部の後嚢だけを残して核とその周りの皮質を全て吸引します。
その後、後嚢の上に直径約6oの眼内レンズを挿入して固定します。
使われるレンズですが近年では、切開部分を小さく済ませたり、折り畳んで挿入出来るという利点から、シリコン製やアクリル製のソフトレンズが使われる事が多くなってきているようです。
また、手術は局所麻酔を点眼や注射によって行なうので、痛みはほとんどありません。
レンズの取り換えは?
眼内レンズは半永久的に使用できるもので、
特段の事情がなければ眼内レンズは取りかえるという事はしません。
ちなみに両目に手術を行なう場合は進行が進んでいる方を先に手術し、その数日〜1、2週間後に、もう片方の目の手術を受けるという方法をしていきます。