老眼とは
40代のころから徐々に老眼の症状を自覚するようになり、60代を超えるとほとんどの人が老眼鏡などの調整が必要になってきます。
実際には20歳代をピークに水晶体の弾力性は低下し始めているので、正確には老眼は20歳代から進行しているといえます。
ただし老眼は水晶体と調節筋の加齢変化の結果生じるもので疾患というわけではなく、程度の差こそあれ誰しもが辿る道といえます。
主な症状としては、近くのものがみえずらくなった(ピントを合わせにくくなった)、眼精疲労やそれに伴う肩こり、頭痛の頻度やつらさが増してきた、などがあります。
老眼の原因
最初に目の仕組みを説明しますと、目から入ってきた光を角膜や水晶体で屈折させて、網膜に像を結びます。網膜に映った像を電気信号に変えて脳に送ることで視力が作り出されます。
角膜はその形や厚さを変化させることはありませんが、水晶体は弾力性を持ち、厚みを変化させて網膜で適切に像を結ぶための調整を行います。
具体的にはチン小帯を介して毛様体が緊張したり、ゆるんだりすることで水晶体の厚さを調整します。この結果人間は自在に焦点距離を変えてモノをみることができるのです。
しかし老化に伴い水晶体は硬さが増して弾力性が失われていきます。そうなると毛様態がいくら働きかけても水晶体はその厚みを変化させることができなくなります。これが老眼です。
老眼になると遠方にピントが合ってしまい近くにはピントが合わなくなってしまいます。そのため新聞や本など近くを正確に見る必要がある作業に支障をきたします。
老眼の治療法
老眼の治療法として一番行われているが老眼鏡です。そのほかにもコンタクトを使ったモノビジョンという方法、レーシック、水晶体を取り出して多焦点レンズに変える方法など様々があります。
老眼鏡
老眼になったら老眼鏡を掛けるのが一般的です。そのままにしておくと老眼になるとピントが合わなくなるため毛様体がピントを合わせようと無理をして眼精疲労や視力低下の原因になりますので老眼かなと思ったら眼科で検査をして老眼鏡を作成するようにしましょう。
モノビジョン
コンタクトを利用した老眼を軽減させる方法として海外でよく行われている方法にモノビジョンがあります。これは一方の目にに遠くに焦点を合わせたレンズを用いて、もう一方の目に近くにピントを合わせるレンズを使用し両目で見ると近くも遠くも見えるようにするという方法です。
レーシック
角膜を削り屈折率を変えることで近くを見えやすくします。
ただしレーシックの場合、角膜の屈折率は固定ですので遠近に合わせて焦点を合わせることができないのが欠点です。
そのためモノビジョンレーシックといって片目を近くにもう一方を遠くに合わせてレーシックを行い老眼を改善する方法もあります。近年ではアキュフォーカスリングというリングを角膜に入れ込みピンホール効果で近くを見やすくするという方法も行われています。
遠近両用眼内レンズ
老眼は水晶体の調整力が低下することで生じます。そこで水晶体を取り除き遠近に視点が合う多焦点レンズを水晶体の代わりにいれることで老眼を回復させます。海外ではすでにすぐれた成績を収めている方法になります。水晶体を取り除くため白内障になることもなくなります。
白内障の予防法
老眼や目の老化はどうしても防ぐことができません。しかし、完全な治療が不可能な老眼でも、若いうちからの心がけで目の老化の進行を遅らせることはできます。ここではそんな老眼を予防するための方法をいくつかご紹介します。
目のエクササイズ
まぶたを閉じてギュッ、まぶたを開けてパッ、という目のエクササイズがあります。これを日常的に続けて行うことで、目の老化の予防になります。これは目のピントを合わせてくれる毛様体筋のこりをほぐすことになり、老眼の進行を遅らせます。
栄養素をとる
細胞を老化させる成分として、「活性酸素」の存在が知られています。この活性酸素に対抗してくれるのが抗酸化ビタミンと呼ばれるビタミンC、ビタミンEです。
これらを日常的に摂取することで、目の老化を防ぎます。補助的にサプリメントを利用するのもいいでしょう。
運動をする
目の周辺だけでなく、全身の血行をよくすることは、目の老化の防止に繋がります。日頃からの軽い全身運動や、ウォーキングなどの習慣をつけておくことが大切です。
目に良いことだけを行うのではなく、身体全体の健康を意識することで、目のトラブルの予防や改善にも繋がるのです。
ストレスをためない
目は自律神経の影響も受けやすいといわれています。
ストレスをためないように適度に発散して、毎日をすごしましょう。
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